クズ彼氏の甘く危険な呪縛
第1章
罰ゲーム
お母さんの部屋は、今日も鍵が閉まっていた。
お父さんは、もう1週間帰ってきていない。
リビングのテーブルの上には、また「ごめんね」と書かれたメモが置かれていた。
白い封筒の中には五千円札が二枚入ってる。
壊れた家庭。壊れた両親。
そして壊れかけた私。
誰かに必要とされたくて、ほんの少しでも期待してしまって、空っぽの心に愛情が欲しくてたまらなかった。
レオくんと出会ったのはそんなときだった。
「ねえ、俺のこと好き?」
からかいが滲んだ笑みを浮かべ聞いてきたのは、隣のクラスの男の子だった。
クラスでも学年でも有名な、女の子に人気で、でもちょっと怖い噂のある、そんな存在。
レオくん。
苗字は知らない。
けど、前に苗字を呼んだ人は、今はもう学校に来ていない————そんな噂が残っている。
教室も違うし、話したことも、接点もなかった。
なのに、放課後……まだ何人か残る教室で、彼は私にそう言った。
「付き合おうぜ」
すぐにわかった。これは嘘だ。
彼の軽く、茶化すような、演技かかった笑い。
視線を彼の背後へ向けると、くすくすと笑う誰かがいた。
私なんかに、人気者のレオくんが本気で告白してくるわけがない。
あまりにも不釣り合いだし、突然すぎた。
お父さんは、もう1週間帰ってきていない。
リビングのテーブルの上には、また「ごめんね」と書かれたメモが置かれていた。
白い封筒の中には五千円札が二枚入ってる。
壊れた家庭。壊れた両親。
そして壊れかけた私。
誰かに必要とされたくて、ほんの少しでも期待してしまって、空っぽの心に愛情が欲しくてたまらなかった。
レオくんと出会ったのはそんなときだった。
「ねえ、俺のこと好き?」
からかいが滲んだ笑みを浮かべ聞いてきたのは、隣のクラスの男の子だった。
クラスでも学年でも有名な、女の子に人気で、でもちょっと怖い噂のある、そんな存在。
レオくん。
苗字は知らない。
けど、前に苗字を呼んだ人は、今はもう学校に来ていない————そんな噂が残っている。
教室も違うし、話したことも、接点もなかった。
なのに、放課後……まだ何人か残る教室で、彼は私にそう言った。
「付き合おうぜ」
すぐにわかった。これは嘘だ。
彼の軽く、茶化すような、演技かかった笑い。
視線を彼の背後へ向けると、くすくすと笑う誰かがいた。
私なんかに、人気者のレオくんが本気で告白してくるわけがない。
あまりにも不釣り合いだし、突然すぎた。