クズ彼氏の甘く危険な呪縛
――――――

電気を付けることもできず、帰ってきた姿のまま床に座り込んでいた。

真っ暗な暗闇の中、玄関が開く音がした。

レオは何事もなかったかのように、靴を脱いでリビングに上がってきた。

どこか楽しそうな顔をしている。

いつもは言わないのに、今日に限って「ただいま」と言って、私を抱き寄せた。
レオに包まれているはずなのに、肌に乗った香水の匂いがレオじゃない誰かを思わせて、鳥肌が立った。


「……や、だ」


力の限り遠ざけても、レオの力は緩むことはなく、何が楽しいのか笑い声まで聞こえる。


「レオっ。お願い……いやなの!」


もはや突き放すようにして、やっと離れた私は急いで距離を取る。
そしてスマホを掴み、レオに画面を見せた。


「こ、これ……レオで合ってる?」


部屋の中、私の震えた声が響き渡る。

ああ、聞いてしまった。
見せる必要だって、なかった。
でも、心のどこかでまだ、期待していたんだと思う。

――間違いだということを。
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