ゆきんこ【完】
ストーブの前に座らされて、その横にお母さんも座る。
慣れていない‘お母さん’の言葉には、少し抵抗がある。
「ゆっくりで、いいからね」
お母さんが笑った。
「特にお父さんは」
……確かに…。
滅多に喋ったりしないのに、いきなり‘お父さん’なんて、カナリどころじゃない抵抗がある。
無理に近い。
今だって、あたしを見るなり二階に行っちゃったし。
「今頃お父さん、泣いてると思うわ」
…は?