黒兎の相棒は総長でも止められない
週末の午後。
兄が暇そうにしてたせいで、なぜか3人で飯でも行く流れになった。
正直、兄と凪と3人並んで歩くのはまだちょっとだけ変な緊張感がある。
けど、あの夜を乗り越えた後だからなのか、今は変な居心地の悪さはなくなっていた。
カフェに入り、3人並んで席に着く。
兄は無表情にコーヒー、凪は隣に当たり前の顔して座ってくる。
そして――
「そんな顔してるとまた俺襲うぞ」
凪がボソッと低く、耳元に落としてきた。
「っ……!」
瞬間的に背筋がピクッと跳ねる。
顔が熱くなるのを抑えられない。
「な、なに言ってんの……っ!」
「ん?別に。言っただけだし」
凪はわざとらしく軽く笑って、目線を前に戻した。
その意地悪な余裕の表情にまた心臓が跳ねる。
「……ほんと、意地悪…」
「お前が反応するのが悪い」
私があたふたしてる隣で、兄が呆れたように溜息を吐く。
「……見てらんねぇな」
「えっ?」
「お前らさ…ここカフェな。公然でそういう空気出すな」
そう言いながら兄は立ち上がってコーヒーを飲み干す。
「俺も女と遊んでくるわ。あとは勝手にやってろバカップルども」
サラッと肩をすくめながら、兄はそのままカフェを出て行った。
残された私は凪を見て、思わず小さく吹き出した。
「……お兄ちゃん…ほんとに…」
「まぁ、助かったけどな」
「…やめてよもう…」
凪はニヤッと目を細める。
「何、今から襲おうか?」
「~~っ!絶対やだ!!」
「ばーか。冗談だつーの」
不意に凪が優しく私の頭を撫でた。
その手の温度に、さっきの緊張がじわじわ溶けていくのを感じた。
本当に、凪は――ズルい。
兄が暇そうにしてたせいで、なぜか3人で飯でも行く流れになった。
正直、兄と凪と3人並んで歩くのはまだちょっとだけ変な緊張感がある。
けど、あの夜を乗り越えた後だからなのか、今は変な居心地の悪さはなくなっていた。
カフェに入り、3人並んで席に着く。
兄は無表情にコーヒー、凪は隣に当たり前の顔して座ってくる。
そして――
「そんな顔してるとまた俺襲うぞ」
凪がボソッと低く、耳元に落としてきた。
「っ……!」
瞬間的に背筋がピクッと跳ねる。
顔が熱くなるのを抑えられない。
「な、なに言ってんの……っ!」
「ん?別に。言っただけだし」
凪はわざとらしく軽く笑って、目線を前に戻した。
その意地悪な余裕の表情にまた心臓が跳ねる。
「……ほんと、意地悪…」
「お前が反応するのが悪い」
私があたふたしてる隣で、兄が呆れたように溜息を吐く。
「……見てらんねぇな」
「えっ?」
「お前らさ…ここカフェな。公然でそういう空気出すな」
そう言いながら兄は立ち上がってコーヒーを飲み干す。
「俺も女と遊んでくるわ。あとは勝手にやってろバカップルども」
サラッと肩をすくめながら、兄はそのままカフェを出て行った。
残された私は凪を見て、思わず小さく吹き出した。
「……お兄ちゃん…ほんとに…」
「まぁ、助かったけどな」
「…やめてよもう…」
凪はニヤッと目を細める。
「何、今から襲おうか?」
「~~っ!絶対やだ!!」
「ばーか。冗談だつーの」
不意に凪が優しく私の頭を撫でた。
その手の温度に、さっきの緊張がじわじわ溶けていくのを感じた。
本当に、凪は――ズルい。