練習しよっか ―キミとは演技じゃいられない―
ちょっと、妬けるわ
撮影が終わって控室に戻ると
涼真くんがもう待っててくれてた
壁に寄りかかってスマホをいじってる姿が
いつもの自然体でちょっと安心する
私に気づくと
ふっと優しく微笑んだ
「お疲れ」
「ありがと!」
「終わったか」
「……うん、終わった」
「どうだった?」
私は自然と笑って報告する
「それで、監督に…完璧だったって言ってもらえた」
言葉にしてみると
じわじわ嬉しさがこみ上げてくる
涼真くんもゆっくり頷いて
「そっか。頑張ったな」
少し間があって
ふっと視線を逸らしながら、少しかすれた声で続けた
「……でもさ」
「え?」
「ちょっと…妬けるわ」
思わず目を丸くする
「え…ぇ?なんで?」
「そりゃ……そんなに自然に入り込まれたらさ」
苦笑しながら頭を優しく撫でてくる
私の顔はみるみる熱くなっていった
「だ、だって…演技だし…練習した通りだし…!」
「ははっ、わかってるって。…なぁ」
そこでふと
涼真くんの声が少し低く甘く落ちた
「奈々…お前が好きだ」
ドクン、と心臓が跳ねた
「…っ…」
言葉が出なくて
自然と涼真くんの胸元に顔を埋めた
涼真くんは小さく笑いながら
そのまま優しく抱きしめてくれる
「…まじで…お疲れさま、奈々」
「…涼真くん…ありがと…」
彼の腕の中は
ずっとあたたかかった