パラノイア境界線


「ほっといて、あっちいって、消えてマジ消えて気持ち悪いから」

「だから気持ち悪いんなら、病院連れていくって!」

……こいつは馬鹿か?天然か?

「あのねぇ、あたしが気持ち悪いのはアンタなんだよ」

「えっ?!俺?!なんで?!」

大きな目をパチクリさせて、たいした間抜け面になる。
天然決定だ。

男は華奢な体付きで黒いシャツの似合う白い肌をしていて、鼻筋の通った顔立ちをしていた。

癖のないサラサラした黒髪は女のあたしの染めて痛んだ髪よりもきっと綺麗。
大きな目は少し茶色がかっていて、ビー玉みたいにキラキラしている。


「どうでもいいからさ、女ひっかけてセックスしたいなら他当たってよ。アンタなら声かけたらいくらでもついてくるでしょ?」


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