パラノイア境界線


「ね、もうちょっと寝てていい?」

「え、あ、うん。や、あの……朝飯…」

「え?」

「朝飯食おうよ。その、一緒に……」



くすぐったい。
苛々がスッと晴れて、心に柔らかな爪痕が残る。
昴の声は、その傷口をソッと撫でるみたいで、くすぐったい。


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