家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「あなたのこと、嫌っているの?」

「え?」

思わず首を傾げる。

確かに、あの子の言動には引っかかることが多かったけれど、まさか。

「あなたが嫁いで、グレイバーン伯爵家がこんなに栄えているのを見て、おかしいって言ってたのよ。」

「おかしいって……どういう意味?」

リリアンは一瞬、言葉を選ぶように目を伏せたが、やがて小さく吐き捨てるように言った。

「彼女、あなたが貧乏になって惨めな思いをするのを望んでいたみたい。」

「……」

言葉を失った。

あのルシアが、そんなふうに……?

笑顔の裏に、そんな感情が隠されていたなんて。

「信じられないなら、いいのよ。でも、彼女、夜会でそういう噂を流そうとしてたみたい。『姉は伯爵家に押しつけられただけ』だって。」

私の胸の奥に、静かに怒りが灯るのを感じた。

ルシア。

あなたは……本当に、私を姉だと思っていたの?







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