推しにガチ恋ってアリですか⁉︎
お昼休み始まりのチャイム。
私はいつもの4人で中庭へ向かう。
今日は涼香手作りのお弁当をみんなで分け合うんだ。
何のおかずがあるか楽しみだなぁ……!
そう、ウキウキしながら廊下を歩いていた時。
「──瑠亜、」
小さく私の名前を呼んだ声に思わず立ち止まった。
だって、この声は……!
振り向こうとした途端グッと腕が後ろへ引き寄せられて。
「⁉︎」
「弁当、食べたら、屋上」
「……っ」
「来なかったらどうなるか、分かってるよね?」
フワリと香った甘い匂い。
視界の隅に映った色素が薄いサラサラの髪。
そのまま硬直し続けていると、パッと手が離されてその気配は遠くなって行った。
「……瑠亜、今高峰になんて言われた?」
「……っ、なんでも、ない」
高峰くんの声と言葉が、耳から離れない。
──『来なかったらどうなるか、分かってるよね?』
ひえっ……推しに抹消されそうだよ……っ!
……いや、高峰くんなら何されてもいいかなぁ。
なんて思ってる私は、きっと頭がおかしい。