† of Holly~聖の契約




「――くひゃははははははははははは……っ!!」

頭のどこかが壊れてしまう。

そんな軋轢を延髄の辺りに感じた時、もうすでに壊れてしまっているなにかの笑い声が、聞こえた。

亡と顔をあげる。

今さら気が付いた。

夜であろうと思っていたのに、空が異様に明るい。真っ赤だ。

いや、空はたしかに夜。星が白く散らばっている。

燃えていたのだ。村が、紅蓮の炎で。

百足の化け物が長い胴体を蠢かせるように、村の至るところで赫灼の衣がはためいていた。

めらり、めらりと、いやあるいは踊っているようだ。

家々の屋根へ覆い被さり、繁る木々を焼き削り、その暴挙を真っ赤な火の粉を散布して強調する。

「お……おお、おおおお……!」

膝を突く男どもとともに、実は私も低い唸り声をあげていた。

しかし、唸り声の方向がまったく違う。

火を放たれたのは恐らく、私を地下から連れ出している間のことだったのだろう。

それで、男どもはこの惨状に嘆いている。

私は違う。
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