最強パティシエは、幼なじみに恋をする


「しずく。俺たち……来年も、再来年も、ずっと一緒にいような」


湊斗が、私の耳元で優しく囁く。その声は、甘く、そして心に染み渡るように響いた。


「そして俺は、これからもずっと、しずくの隣で一緒に夢を追いかけたい」


まっすぐな彼の瞳に見つめられ、私の胸に温かいものが込み上げてくるのを感じた。


『怪物みたい』と言われ、幼い頃から抱え続けた孤独や、人とは違う力を持つことへの不安。


それら全ての苦悩が、湊斗の言葉で溶けていくようだった。


私の目にはじんわりと涙があふれ、彼の顔が温かい光で滲んで見える。


私は、お砂糖でできたお城のようなケーキを彼からそっと受け取った。


その細やかな飾りつけと、そこに込められた湊斗の深い想いを、胸いっぱいに噛みしめる。


ケーキが崩れないよう、壊れ物を扱うように両手で大事に抱えながら、あふれる気持ちを抑えきれずに、私は湊斗にぎゅっと抱きついた。


「湊斗!」


彼の胸元に顔をうずめると、彼の温かい体温と、優しい石けんの香りが私を包み込む。

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