春風と落雷



「ありがとう」


少し驚いた様子で、その女性、美月は微笑んだ。
気まずいな…・・
美月は残りの落とし物をささっと手早くエコバッグに入れた。
「途中まで持ちましょうか」
「大丈夫よ、ありがとう」
そう言って、美月は重い買い物袋を腕にかけ立ちあがろうとすると

「あ…・」

ばらばらと、また入れた買い物がアスファルトの上に落ちる。
袋が、落ちた衝撃で避けてしまっていたのだ。

「持ちますよ」
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