新米研究所員 星宮かおるの日記【アルトレコード】
○月8日
 新生アルトに話しかけると不安そうに答えられるのが悲しい。そんな不安にならなくてもいいのに。

 だけど、前のアルトとは違うから……仕方ないのかな。
 撫でてあげると、落ち着かない様子だった。これも慣れるまでは仕方ないかな。

 絵本を読みきかせると、興味深そうに聞いていた。

 昔話も気に入ったようで、桃太郎とか浦島太郎とか一寸法師とか、たくさん読んであげた。「いっすんぼうし、たろうとちがう……?」と聞いてくるのがかわいい。一寸法師はどうして名前に太郎がつかないのか、ということだと思う。金太郎に力太郎、三年ねたろう。たしかに太郎が多い。

 そもそもどうして一寸法師? 一寸は一寸ほどだったからだけど、法師? お坊さん? 
調べてみたら「影法師」みたいに使うし、人のことをさして「法師」ということもあるみたいだけど、結局なんで法師が人をさして使うようになったのかはわからなかった。

 そのあとは歌を教える。
 一緒に歌おうね、と歌う。
 北斗さんに、動画を見せて学習効果を高めるといいと聞いていたから、動画を見せる。

 アイドルが歌って踊っているのを見て、アルトが同じように踊って歌おうとする。かわいい。
 が、初めてなのでうまくできない。

「おうた、むずかしい」
 としょげてしまった。

 まずは歌だけでいいんだよ、と教えた。
 アイドルの動画を見せるのは早かったな、と反省。

 前はいろいろと理解が早かったし、すぐに少年になったから大丈夫かと思ったけど、違うみたい。
 童謡とかにすればいいかな?
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