わたしがつくった華の特注品
――紅沢くんは確か言っていた。
『桃李が強く出てきたら、泣いたフリでもしてみな?』
『あいつは女嫌いな癖に、女の涙にゃよえーからさ』
今こそ、作戦その3”泣き落とし作戦!”決行のとき!
「なっ、ちょ、お前……泣くなよ」
「……」
指と指の隙間から、彼をチラッと見ると、灰田くんは超絶に焦っていた。
「めんどくせぇなあ……もう……っ」
「うえーん!灰田くんの嘘つきー!!」
焦っている灰田くんに対し、わたしは泣き演技に更に拍車をかける。
わたしの中では本気のこの演技!
お願いどうか受け入れて灰田くん!!