星降る夜に
2025年6月1日


今日、病院のベッドで目を覚ました。

白い天井と、消毒液の匂い。

隣のベッドは空っぽで、カーテンが少し揺れてる。

医者が朝の回診で「順調だよ」と言ったけど、

目が笑ってなかった。

たぶん、私の余命があと3ヶ月だってことを、

私以上にわかってるんだろう。

18歳。

白血病。

こんなドラマみたいな展開、笑えるけど笑えない。

ママは毎日来てくれる。

パパは仕事で忙しいって言って、

週末しか顔を見せない。

ママの目はいつも赤くて、私を見るたびに

「ごめんね、彩花」

って言う。

なんで謝るの?

私が病気なのはママのせいじゃないのに。

夜、窓から星が見えた。

キラキラしてて、なんだか泣きたくなった。

星って、こんなに綺麗だったっけ?

いつもスマホばっかり見てたから、気づかなかった。

明日も見よう。
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