星降る夜に
2025年6月15日


昨夜、悠斗さんが本当に屋上に連れてってくれた!

車椅子に乗って、エレベーターでコソコソ上がった。

バレたら怒られるって笑いながら、

悠斗さんが私の毛布を膝にかけてくれた。

屋上に出た瞬間、息が止まった。

星が、めっちゃいっぱい。

まるで空がキラキラの絨毯みたい。

都会なのに、

こんなに星が見えるなんて知らなかった。

「彩花ちゃん、流れ星見つけたら願い事3つ言えるよ」

って悠斗さんが言ったけど、

私は1つしか思いつかなかった。



「生きていたい」


って。

でも、口には出さなかった。

代わりに、星を見ながら

「悠斗さんは何願う?」

って聞いた。

そしたら、ちょっと黙ってから

「誰かを幸せにしたい」

って。

誰かって誰?

って思ったけど、聞けなかった。

帰り道、悠斗さんが「また来ような」って言ってくれた。

うん、絶対また来たい。
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