すべての花へそして君へ①
「えっ、え? ……やっぱりヒナタくんってストーカ――」
「やっぱりってどういうことかな??」
おっと失言▼
映っていたのは、紛れもなくわたしである。ブッレブレだけど。多分わたしだ。そして、ブッレブレでもよくわかるほど、お猿さんみたいにお顔が真っ赤っかである。
「……な、なんのことかな?」
アイくんっ! なに勝手に撮ってるのっ。なに勝手にこの人に送りつけてるのっ!!
「しらばっくれても無駄。言質は取れてる」
「どういうことっ!?」
「それはオレが聞きたい。なんか知らないけど、オレに自慢のメールが送られてきたんだけど。奴には即刻消去するように言っておいたから安心して? オレはこのブレを何とか修正しようと目論んでるけど」
「しなくていいからっ!!!!」
不味いと思った時には、もう何もかもが遅かった。
「はーい。完全に言質を本人からいただきましたー。さあ吐いてもらおうか、容疑者のあおいさんや」
慌てて起き上がろうとしたけれど、あっさり手首をガッチリ掴まれて逃げられなくなった。
「……あ。アイくん、が」
「うん」
「ひ。……ヒナタくんの、どこが好き……って。聞くから」
「……うん」
「……言っちゃいけないことだって知らなくて。ごめんなさい」
「うん? いやいや違うって」
「え?」
どういうことだろうと、首を傾げながらヒナタくんをじっと見下ろしてみる。
「…………だってば」
「ふぇ?」
いつの間にか、掴まれていた手は自由になっていた。ヒナタくんのお腹の上に、ぺたんと座り込みながら、もう一回首を傾げる。
「……だから」
「うん?」
「……妬くじゃん。ばか」
「……!!」
恥ずかしいのか、手で軽く、赤くなった顔を隠して。「ばかばかばか」って。……小っちゃく言ってる。
「……。ごめんなさい」
「……別に、謝って欲しいわけじゃ」
「ヒナタくん、妬かせちゃった」
「……そりゃ、妬いてばっかだけど――」
「ちょっとかわいいって思いましたごめんなさい!!」
「それはちょっと許しがたい」
取り敢えず、胸におでこをつけながら謝っておいた。何にか。そりゃもちろん、かわいいヒナタくんにだ。
「ただ、オレはさ」
視線を外したヒナタくんは、耳から首筋までまだ赤かった。よっぽど恥ずかしかったらしい。かわいい。
「……ただ、オレ以外の前で赤くなって欲しくないだけなんだってば」
「……え?」
「オレのことで赤くなったとか、そりゃ嬉しいけどさ。ヤバいけどさ。死にそうけどさ」
「……死なないでください」
「たとえだから。……だから、もっと自覚して欲しい」
「え? 自覚?」
「……自分がかわいいってこと」
「……え」
「まわりはみんな、あおいをかわいいって思ってること」
「……え」
「顔赤くしたとか、……そんな顔、誰にも見せたくないに決まってるじゃん。独り占めしたいに……決まってるじゃん」
「え」