サヨナラじゃない

「聖女と共に過ごす人は、この聖女たちのことを知られたら、消えなきゃいけないんだ」
元気な下げに、アラレは笑った。
「…はっ、？」
なにそれ、アラレが消えるの、
「私のっ、せい、じゃん…」
私がその言葉を吐いた瞬間、アラレはぼんやりと光りながら透明になっていく。
「あ、アラレ、その体っ！おまッ」
「き、狐野くん…！？」
2人は、驚きの声をあげる。
すると行き成り、ダダダダダッと勢いよく階段を駆け上がる音が。
バァンッ！と勢いよく扉が開いた。
「あ、アラレ坊ちゃま！！」
栃野さんだ。
多分だけど、アラレに仕えていたときの呼び方に戻っている。
「と、栃野さん…」
アラレは少し戸惑ったが、ふっと優しく笑って心配をかけないようにする。
「大丈夫ですよ、栃野さん。アラレたちならなんとかやってのけ…」
「そうじゃなくて！アラレ様が、わしは心配なのです…」
あ、またアラレは黙り込んだ。
でも、アラレの頬に見えたのは1筋の涙。
アラレ、泣いてる…？
「大丈夫だよ、石川、雨坂さん、栃野さん」
「そして、千影」
貰い泣きしてしまった。
「大丈夫なんていうなよ、」
「大丈夫じゃないじゃん！！」
大声を出してしまい、アラレは笑った。
「それ、大丈夫っていいたくなるやつ」
うん、
「だね」
私も、貰い笑いをしてしまった。
それに釣られて、他3人も笑った。
笑いが収まったころに、アラレは真面目な顔でいった。
「聖女千影に問う。この世界は、いる？」
ふふっ、その答え、決まってんじゃん。
「いる！」
蔓延の笑みで私は言った。
「そうか。では、ここに宣言する」

「この地球という星は、調節世界が数十年保護し、次がくるまで、崩壊することを許さない！」

アラレは、そのあとこういった。
「みんなでハンバーグ、食べてくれ」
最期の一言がもしやそれ？
笑えるけど、今のアラレらしい。
「それと、千影」
ちょいちょいっと、アラレは私を手招きした。
「ーーー」
アラレがそのあと言ったこと、それは2人だけの秘密だ。