『脆い絆』
7 ◇理不尽過ぎる


妹は夫ばかりか、いつの間にか娘まで取り込んでいたようだ。

それにしても、実の母親が横から父親を寝取られた挙句、反省の色も
なく略奪すると言っている女の味方につくとは。

青天の霹靂とはまさに……である。

「……だって、お姉さん。娘にまで見限られて可哀そう~」

「うっ……」


「温子、悔しい気持ちは分かるが人の気持ちはどうしようもないよ。

 簡単には変えられない。

 凛子は職もなく無収入だ、対してお前には看護婦というりっぱな仕事が
あることだし、不服があるお前のほうが出て行ってはどうか」

「温子、母さんもそれが一番いい方法だと思うわ。
 そうすれば皆まぁ~るく収まるじゃない、ね? 

 2~3日して行き先が決まり次第そうなさい」



「じゃっ、家族会議はこれで終了。はいっ、解散!」

無情にも父親が遺恨を残したままの話合いをぶち切った。


           ********


えっ、皆どうかしてるんじゃないの? 
話し合いの結末がこんな終わり方だなんておかし過ぎるわ。
 
ちょっ……待って、こんなの理不尽過ぎる。
どうして被害者が家を出て行くことになるの? 

こんな馬鹿な話が何故まかり通るのか……。
私はしばし、混乱した。

はっきりしていることはひとつ。


私は、何もしてなくて……嫌なことをされた側の私の主張が、
家族の誰ひとりからも支持されなかったということ。

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