かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜
平日は大学に通っているとのことなので、週末に待ち合わせることにした。
土曜日の昼に、彼がこちらのアパートまで迎えにきてくれるという。
透さんはといえば、ホテルを会場にした機関投資家向けのセミナーにパネリストとして登壇予定で終日外出だ。
櫂さんと会うことになったとメッセージで伝えたところ一言【よろしく頼む】と返ってきただけだった。
土曜日、十二時ちょっと前にエントランスホールに下りると、コンシェルジュのカウンターの前にすらりとした青年の姿があった。
カウンターに片肘を置いて、コンシェルジュと親しげに言葉を交わしている。
いつもしかつめらしい顔をしているコンシェルジュが、柔和な表情で受け答えしているのがかるい驚きだった。
歩を進めると青年がこちらを振り返った。
「桜帆さん?」
確認するように名を呼ばれる。声は透さんに少し似ているだろうか。
「はじめまして、桜帆です」
日本人の習性というべきか、ぺこりと頭を下げた。
櫂さんがコンシェルジュに「Bye」とにこやかに告げる。
「Have a wonderful day」という声に見送られて、彼と連れ立って表に出た。
土曜日の昼に、彼がこちらのアパートまで迎えにきてくれるという。
透さんはといえば、ホテルを会場にした機関投資家向けのセミナーにパネリストとして登壇予定で終日外出だ。
櫂さんと会うことになったとメッセージで伝えたところ一言【よろしく頼む】と返ってきただけだった。
土曜日、十二時ちょっと前にエントランスホールに下りると、コンシェルジュのカウンターの前にすらりとした青年の姿があった。
カウンターに片肘を置いて、コンシェルジュと親しげに言葉を交わしている。
いつもしかつめらしい顔をしているコンシェルジュが、柔和な表情で受け答えしているのがかるい驚きだった。
歩を進めると青年がこちらを振り返った。
「桜帆さん?」
確認するように名を呼ばれる。声は透さんに少し似ているだろうか。
「はじめまして、桜帆です」
日本人の習性というべきか、ぺこりと頭を下げた。
櫂さんがコンシェルジュに「Bye」とにこやかに告げる。
「Have a wonderful day」という声に見送られて、彼と連れ立って表に出た。