春は、香りとともに。





[志野子side]

 あなたの袖を縫う時間
 指の間をすり抜けた糸が
 わたしの胸にも結び目をつくった

 名前のない、しるしでもいい
 灯りと香と、針の音で
 わたしたちは少しずつ近づいていく
 
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