Blue Moon〜小さな夜の奇跡〜
真夜中のケガ
「きゃー! 待って、想」
突然聞こえてきた甲高い声に、小夜は思わず立ち止まって顔を上げた。
五月三十日の土曜日、横浜・みなとみらいの一流ホテルのエントランス。
時刻は深夜一時に近かった。
優雅な身のこなしのドアマンに「お気をつけて」と見送られ、微笑みながら会釈をして外に出た時だった。
背の高い男性がスッと小夜とすれ違ったかと思うと、どうやら彼のあとを追いかけているらしい五、六人の若い女性が、悲鳴のような声を上げながら小夜にぶつかって来た。
ドンッという強い衝撃を受けて、小夜は後ろに突き飛ばされる。
咄嗟に手をつくのを躊躇した結果、そのまま地面に倒れ込んだ小夜はガツンと頭に衝撃を受け、中途半端に右手首もひねってしまった。
「痛っ……」
顔をしかめたが最後、スッと気が遠くなる。
「おい! 大丈夫か?」
誰かの声を聞きながら、小夜はそのまま意識を失った。
突然聞こえてきた甲高い声に、小夜は思わず立ち止まって顔を上げた。
五月三十日の土曜日、横浜・みなとみらいの一流ホテルのエントランス。
時刻は深夜一時に近かった。
優雅な身のこなしのドアマンに「お気をつけて」と見送られ、微笑みながら会釈をして外に出た時だった。
背の高い男性がスッと小夜とすれ違ったかと思うと、どうやら彼のあとを追いかけているらしい五、六人の若い女性が、悲鳴のような声を上げながら小夜にぶつかって来た。
ドンッという強い衝撃を受けて、小夜は後ろに突き飛ばされる。
咄嗟に手をつくのを躊躇した結果、そのまま地面に倒れ込んだ小夜はガツンと頭に衝撃を受け、中途半端に右手首もひねってしまった。
「痛っ……」
顔をしかめたが最後、スッと気が遠くなる。
「おい! 大丈夫か?」
誰かの声を聞きながら、小夜はそのまま意識を失った。
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