君と進む季節

11.やっと、君に

忘年会の日から、友達で集まったときは、自然と君の隣に座るようになった。
他の誰かがそこに座りそうになると、
「そこ、俺の席やから」って冗談っぽく言って笑わせる。

君は軽く笑って「はいはい」って言うけど、
目がどこか柔らかくて、気づいているのかもしれない。

誰かがそこに座ろうとすると、思わず笑わせたくなる。
そんな自分に、ちょっと呆れる。

最近、君も時々俺の方を見てる気がする。
ふと目が合うけど、すぐ逸らされてしまう。

多分、俺と同じ気持ち。
お互い何も言わずにいるけど、
それが言葉よりもずっと強く伝わっているのかもしれない。

でも、怖くて確かめられない。

もしも、ただの勘違いだったら。
もしも、言葉にして、今みたいに自然に笑えなくなったら。

帰り際、駅までの道で、君と二人きりになる。
人混みの中、君と俺の手がふと触れて、君がびくっとした。

その瞬間、俺の胸に強い決意が生まれ、もう離したくなくて、そのまま君の手をしっかり握った。

「びっくりした」

君が少し照れた声で言う。

「なんやねん、こっちのセリフや」

俺は照れ隠しにそう返し、いつもの軽い空気で笑い合う。

けど、心の奥底では、ほんまはもっと先に進みたいと強く願っていた。

「…なあ」

小さな声で呼びかけると、君は振り返り、じっと俺を見つめた。

君をそっと引き寄せて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。

「…好きやで、ずっと、前から」
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