君と進む季節
3.雨の日の暖かさ
雨が降り出した夕暮れ、夕飯を食べに行こうと駅前に皆集まっていた。
行く先も決まって歩き出したとき、俺は傘を持ってきていないことを思い出した。
「俺、傘持ってへんわ」って言ったけど、
周りは盛り上がっていて俺の声は聞こえてない。
君は一歩遅れた俺に気がついて、駆け寄ってきた。
「傘、忘れた」って伝えたら、
君は迷わず、自分の傘を差し出した。
「じゃあ、一緒に入ろ?」って言うその声が、妙に心に響いた。
雨に濡れないように両手ともポケットに入れて歩き始めたけど、
君は背が小さいから、頭に傘が当たりそうになる。
「俺が持つよ」
って手を伸ばして、もう片方の手で君が雨に濡れないように近くに引き寄せた。
その時、手がほんの少し触れ合ったけど、何事もなかったように目をそらした。
普段ならなんてことない、ただの雨の道。
でもその5分間は、隣に君の体温を感じて、妙に長くて重たく感じた。
傘1つ分の距離で話した近さが耳に残って、心の中でずっと繰り返されていた。
「そっち、濡れちゃったね」って、君が笑いながら俺の肩をぽんぽんと叩いた。
その仕草が優しくて、胸の奥がじわじわと熱くなるのを感じた。
気付かないようにしてるけど、
知らないふりをしてきたけど、
確かに芽生えてしまったんだと自覚した。
俺はまだ自分の気持ちに戸惑いながらも、
また雨が降ればいいのにと願っていた。
行く先も決まって歩き出したとき、俺は傘を持ってきていないことを思い出した。
「俺、傘持ってへんわ」って言ったけど、
周りは盛り上がっていて俺の声は聞こえてない。
君は一歩遅れた俺に気がついて、駆け寄ってきた。
「傘、忘れた」って伝えたら、
君は迷わず、自分の傘を差し出した。
「じゃあ、一緒に入ろ?」って言うその声が、妙に心に響いた。
雨に濡れないように両手ともポケットに入れて歩き始めたけど、
君は背が小さいから、頭に傘が当たりそうになる。
「俺が持つよ」
って手を伸ばして、もう片方の手で君が雨に濡れないように近くに引き寄せた。
その時、手がほんの少し触れ合ったけど、何事もなかったように目をそらした。
普段ならなんてことない、ただの雨の道。
でもその5分間は、隣に君の体温を感じて、妙に長くて重たく感じた。
傘1つ分の距離で話した近さが耳に残って、心の中でずっと繰り返されていた。
「そっち、濡れちゃったね」って、君が笑いながら俺の肩をぽんぽんと叩いた。
その仕草が優しくて、胸の奥がじわじわと熱くなるのを感じた。
気付かないようにしてるけど、
知らないふりをしてきたけど、
確かに芽生えてしまったんだと自覚した。
俺はまだ自分の気持ちに戸惑いながらも、
また雨が降ればいいのにと願っていた。