響け、希望と愛の鐘

誕生

出産の日。

 ニューヨークの病院。

 薄暗い分娩室は、柔らかな照明とハドソン川の夜景が見える窓。

 景色を見ていると、優美の心は落ち着いた。

 モニターの心拍音が響き、看護師が優美を励ます。

 優美はハギくんの手を握り、陣痛の波を耐える。

 優美の手は、ハギくんがしっかり握っていた。

「俺、そばにいますから。
 代わってやれないのが、悔しいくらいですけど」

 
陣痛が強まる。

 額に滲む汗は、ハギくんがそっとタオルで拭ってくれた。看護師が優美を励ました。

「もうすぐよ!」

 ハギくんが優美の手を握り続け、祈るように囁く。

 「優美。
 頑張れ」

午後11時03分。

 女の子の泣き声が病室にこだました。

 看護師が赤ちゃんを優美の胸に渡す。

 
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