姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

「ちょっとひーちゃん、なんなの急に!?
かなりシリアスな展開だったと思うんだけど〜……」

困惑、と言うかもはやドン引きしていつもの笑顔も作れない榛名聖を、私はまだまだ引っ張って歩く。

途中、路地を歩く通行人が不思議そうに制服姿の私達を見ていることに気づいた。
だから、榛名聖の腕を引くのをやめて足を止める。


ちょっとホッとした様子の榛名聖の方を向き、顎に手を当て考える。

ただでさえ目立つ背格好と顔をしているのに、全身白ラン。これはまずい。

(これじゃ一発で身元も学校サボったのもバレるか。)

「榛名聖。」

突然呼ばれて、“今度は何?”と榛名聖の片眉が引き攣る。

「とりあえず一旦、家、行くわよ。」

自宅の方向を親指で指し示してから、有無も言わさずまた榛名聖の腕を引っ張っていく。

拒否権なしの強引さに、榛名聖は表情を曇らせ呆れたように溜め息をついた。
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