姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.89 バトルの後は
日がほとんど落ちかけた薄暗い浜辺で、いつもの4人でなぜか輪になって手持ち花火に興じている。
まだ少し明るいから色は見えにくい。
それでも、勢いよく噴き出す細い閃光と、火薬と磯の匂いが初体験なのに夏を感じさせてくれた。
(もはやこれは日本人のDNAに刻まれた夏のイメージなのかも……!)
世紀の大発見に真面目な顔でハッとした私を、3人は生ぬるい目で見ている。
「またアホなこと考えてんぞ……。」
「経験不足の赤ちゃんみたいなとこあるからねー、ひーちゃん。」
「触れないのが吉。」
「なんだとー!?」
花火を持った両手を振り上げたら火花が広瀬真と近江涼介に当たりそうになった。
近江涼介は無言で、広瀬真は「あぶねっ!」と叫んで咄嗟に避けてくれたけど。