姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
“私の勘違い”
言い聞かせて再び写真の成長を辿っていく。
そうするごとに瞬きが増えて、床に着いた手に力が入る。
だって――
写真が今に近づけば近づくほど、写真の子が近江涼介ではないことが確信に変わっていってしまったから。
「可愛いでしょう?
涼ちゃんにも、こんな時期もあったのよぉ。」
背後からの明るい声に、ひやりと背筋が凍る。
振り向くのが怖くて、乾いた笑いで誤魔化し写真を眺めて時間を稼いだ。
何枚目かの少年サッカーチームの集合写真も別人。
そしてその後に小学校の卒業式の家族写真が続く。
ここでまた目を見張った。
穏やかに笑う両親の真ん中で、爽やかに笑う大きめの学ランを着た男の子。
表情こそ人間らしくしているけれど、この現実離れした端正な顔立ちは紛れもなく私の友達だ。
それ以降に並ぶ写真も、全部ちゃんと“近江涼介”だった。