姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「……好き、だと、思う。」
ポツリと消えそうなくらいの呟き。
この人は本当に、今まで“涼ならどう感じるか”ばっかりで、自分の感覚に触れてこなかったのだろう。
だから今、とても心細そうだ。
「心の声がすっごく小さいのも、近江涼介だよね。」
ちゃんと耳を傾けよう。
その心に触れてみよう。
体の横で宙ぶらりんになっている手を握る。
いつも私を救ってくれるこの人を、今度は私が救いたいから。