姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.123 おにぎり
4時間目の家庭科室は、クラスメイトのおしゃべり声で盛り上がっていた。
室内には炊き立てご飯の匂いが立ち込め、ホカホカとした蒸気があちこちの炊飯器から上がっている。
今日の授業は、文化祭で出店予定のおにぎり屋の調理の予行練習。
ちゃんと予習して備えようとするあたり、優等生のいい子ちゃん達の集まりらしいと言うかなんというか……
今回は授業の一環のためパスすることもできず、私達も例に漏れず参加しちゃっている。
「はぁあ……♡眼福……!」
「近江君の作ったおにぎり食べたぁい♡」
「藤澤さんのエプロン姿可愛すぎるだろ……」
「榛名君♡後で私たちのおにぎり味見しにきて!」
「広瀬君頑張ってる!可愛い♡」
あーうるさい。視線がうるさい。
そう思いながらもにこやかに笑って米を握る。
なぜって近江涼介達と同じ調理台を囲んでいて、絶好の復讐タイムだからだ。