姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.142 檻の中


社交の場で聖と何度か顔を合わせるようになって、一つ気づいたことがある。

「真くんはすごいよねぇ、俺なんて中学とかちょっと先のことさえどうするか決めていないのに。」


“自分の進路を自分で決めている人がいる”ということだ。


広瀬の跡を継ぐまでの俺の道筋は、進学先はおろか日々のスケジュール、何を口にして何を身につけるかなんて些細なことでさえしっかりと決められている。


良家の子どもは程度に差があれど皆そういうものなのだと思っていた。

だから特に疑問を持ったことなんてなかったから――
聖のような選んで決める自由がある人がいることが、俺には衝撃的だった。
< 547 / 874 >

この作品をシェア

pagetop