姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.230 離れていても
観覧車の華美な光と夕焼けに照らされて、道行く人は楽しそうに連れ立って歩いている。
その片隅の観覧車の前のベンチに座って、隣にいる近江涼介を見つめて話し出すのをじっと待っていた。
「進学先、県外に行こうと思ってる。」
──変わらないはずだと思い込んでいた毎日に、急に穴が空いた。
「県、外……。」
漠然と近江涼介は、
……近江涼介だけは、変わらずずっと近くにいるんだと思っていた。