契約結婚した白虎の姫巫女
第10章・悲しみの選択
パッと慌てて伊織は結羅を庇ってくれたが、野々華はフフッと笑っている。
しかも野々華の方には鵺の姿が。だから、ドアが壊せたのだろう。
「さあ、私と一緒に行きましょう? 結羅」
野々華は、笑顔で手を伸ばしてくる。このままだと全員がピンチになってしまう。
本当に、やるしかないのだろう。
(こうなったら仕方がないじゃない。やるって決めたのだから、しっかりするのよ……私)
結羅は必死に自分に言い聞かす。皆を助けるためには、迷ってはいられない。
目をつぶって、意識を集中させる。ギュッと握った拳は小刻みに震えていた。
そしてチラッと目を開けて虎太郎の方を見ると、コソッと話しかける結羅。
「……虎太郎、お願いがあるの。大きくなって、一瞬でもいいから野々華ちゃんの動きを止めて」
『大丈夫なのか?』
「……うん」
虎太郎は主である結羅の意思を確認すると、言われた通りに大きくなる。そして威嚇するように唸りだした。
強い霊力を出しながら威嚇する虎太郎に、さすがに野々華達は動揺したようだ。
「な、何よ……この化け物は!?」
その隙を見て、結羅は手提げバッグから一枚のお札を取り出すと、立ち上がった。
「……結羅?」
驚いた伊織を気にせずに結羅は、お札を出して除霊を始める。お札が金色に輝きだす。
「臨兵闘者皆陳裂在前。悪しき呪詛を封印せよ」
お札を野々華の胸元に貼り付ける。結羅は、野々華を除霊する決意を下した。
しかも野々華の方には鵺の姿が。だから、ドアが壊せたのだろう。
「さあ、私と一緒に行きましょう? 結羅」
野々華は、笑顔で手を伸ばしてくる。このままだと全員がピンチになってしまう。
本当に、やるしかないのだろう。
(こうなったら仕方がないじゃない。やるって決めたのだから、しっかりするのよ……私)
結羅は必死に自分に言い聞かす。皆を助けるためには、迷ってはいられない。
目をつぶって、意識を集中させる。ギュッと握った拳は小刻みに震えていた。
そしてチラッと目を開けて虎太郎の方を見ると、コソッと話しかける結羅。
「……虎太郎、お願いがあるの。大きくなって、一瞬でもいいから野々華ちゃんの動きを止めて」
『大丈夫なのか?』
「……うん」
虎太郎は主である結羅の意思を確認すると、言われた通りに大きくなる。そして威嚇するように唸りだした。
強い霊力を出しながら威嚇する虎太郎に、さすがに野々華達は動揺したようだ。
「な、何よ……この化け物は!?」
その隙を見て、結羅は手提げバッグから一枚のお札を取り出すと、立ち上がった。
「……結羅?」
驚いた伊織を気にせずに結羅は、お札を出して除霊を始める。お札が金色に輝きだす。
「臨兵闘者皆陳裂在前。悪しき呪詛を封印せよ」
お札を野々華の胸元に貼り付ける。結羅は、野々華を除霊する決意を下した。