甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


言葉にできない想いは、私たちが思うより温かいものなのかもしれない。

なんて、思ってしまった。


「私も大好きだよ……ずっと」

「さっき聞いたよ」

「それは、勢いで口走っちゃっただけで……!」


それは、痛くて儚くてもどかしくて、そんな不器用なスタートだったはずだ。


「俺と付き合って」


でもきっと、それと同じくらい、温かくて幸せで優しいスタートでもあったはずなの。

少しだけ熱を含んだ柔らかいその瞳を見つめ返してから、私は思うがまま、千紘くんに正面から飛びついた。


「はいっ!」


ぎゅっと腰に回された腕。
少し痛いくらい、強く強く、抱きしめられる。

大好き。ねえ、大好きだよ。

そんな想いは言葉にせずとも、抱きしめ返す力で伝わっているはず。


「……千紘くん」

「ん?」

「……やっぱ、なんでもない!」


そうだよね。伝わってるはずだよね。

だから、今日のところは大丈夫だ。


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