女子高の王子様は、護る人が危なっかしくて困る




 「……君を守ることが、私の“任務”だと思っていた。ずっと、それだけだと思っていた」

 「でも、今は違うの?」

 言葉が、出てこなかった。
 心の奥に溜まった感情が、喉の奥を塞いでいた。

 「凛さん。僕……君といると、心が楽になる。
 笑うことも、話すことも、全部、初めて自然にできてる気がする」

 悠翔が、まっすぐに言った。

 「だから、もしその“気がかり”が、僕に関係してることなら、僕にも背負わせて。
 ……君が一人で背負うの、見てるのが辛いんだ」

 その瞬間、凛の心の中で、何かが崩れた。

 (この子は――もう、護る対象なんかじゃない)

 自分にとって、悠翔は守るべき“任務”ではなく、
 “一緒にいたい”と願ってしまう、かけがえのない存在になっていた。

 「……わかった。今夜、話すよ」

 「うん」



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