漂う花は、還り咲く
「“海月”って名前、聞いたことあるだろ?ちょっと変わった奴らの集まりだ。楽しいぜ」
冗談で聞いたのに。
この男の目は、本気だった。
危ないところだってことは分かってる。
でも、生まれた好奇心を抑える手段は見当たらなかった。
「……今から行ってもいい?」
「上等。お前みたいな奴、歓迎される」
男は笑って、歩き出す。
その背中を追いながら、緊張よりも、警戒よりも、弾む心に身を任せることにした。
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「ここが、海月のたまり場。まあ、気楽にしてていいよ」
「ここ…?」
男が案内してくれたのは、ドラマやアニメで見るような暴走族のたまり場とは似ても似つかないような、普通の家だった。
「あぁ。びっくりしたか?」
「う、うん。想像してたのと違った。」
「まぁ入ってみろ。外の雰囲気とはまたガラッと変わるから。」
男の雰囲気からなのか、あまり警戒することなく案内されるままに地下に踏み入れると、そこにはようやく、よく見るような不良の集まりがあった。
でも、みんな黒髪か茶髪。
転がってるのは、コーラやジュースの缶。
想像していたような不良はいなくて、ちょっと拍子抜け。
不良たちには私の存在にすら気付かれることなく、連れて行かれたのはその奥の扉。
男がノックして入っていくのを追って、慌てて隙間に体を滑り込ませると、四人の男が一斉に私に目を向けた。
「おー?その可愛い子、例の六花チャン?」
最初に声をかけてきたのは、ネックレスと指輪をはめた、ここでは派手めな男。
口元にイタズラっぽい笑みを浮かべている。
「こいつは伊織(いおり)。女好きだからあんま近付くな。」
「んなことないし。あ、連絡先交換しよ?」