漂う花は、還り咲く
それを見た凛月は、ふっと微笑んだ。
そして今度は、さっきまでとは違うーーほんの少し力を抜いた動きで私の間合いに入ってきた。
速さも、力も、さっきより優しい。
凛月は手加減をした。
それがたまらなく悔しかった。
私は全身の力を込めて前に出た。
避けるんじゃない。戦うために、一歩踏み出す。
広場の雰囲気が変わるのを感じた。視線が優しくなった。
そしてーー私が全身の力を振り絞ったところで、凛月に肩を軽く押さえられた。
「ここまで」
その一言で、私はその場にへたり込んだ。
誰かが軽く手を叩き、次々と拍手が起こる。
汗だくで、足はガクガクで、髪はめちゃくちゃでーー
それでも、認めてもらえた拍手が誇らしかった。
「六花おつかれー!」
座り込む私の背中に飛びついてきたのは晴。
「ちょ、重いって。」
グッと背中が押され、慌てて手をつく。
「いや〜想像以上だったよ。あんなに粘ると思ってなかった。」
晴の首根っこを掴んで引き離してくれたのは伊織。
「さすがだったよ。」
真っ直ぐ褒めてくれるのは結翔。
「やっぱ、動きのセンスは本物だな。」
回していたらしい動画を確認する千隼。
「お前ら、六花を認めてくれるか?」
『お〜!!』
「だってさ、六花」
「みんなありがとう…!」
拍手の真ん中で、達成感を噛み締めた。