漂う花は、還り咲く
「凛月は?」
私が聞くと、凛月は一拍置いてから言った。
「神崎財閥」
「……え?」
「その家の、長男」
一瞬、時間が止まる。
「…………御曹司?」
「そうなるな」
「いやいやいや!!
昨日のパーカー姿どこ行ったの!?」
「家では怒られる」
それにまた笑ってしまう。
「結翔は?」
「親父が病院の院長。
母さんは看護師」
「……跡取り?」
「逃げられないやつ」
さらっと言うのが余計すごい。
「伊織……」
「両親、警察官」
「えっ」
一気に声が小さくなる。
「……それで、暴走族なのは?」
「仕事とプライベートは別、だってさ」
苦笑い。
「千隼は?」
「IT会社やってる。アプリとか作ってるらしい。」
「それでいっぱい端末持ってるのね」
「試作だから使ってみろってさ。」
そして。
「……晴は?」
全員の視線が、晴に向く。
晴は少しだけ黙ってから、言った。
「家は……極道」
空気が、ぴしっと張る。
「兄貴が、若頭」
……は?
昨日まで一番現実味なかった人が、一番現実離れした答えを出してきた。
「ちょっと待って、情報量多すぎ」