さよならの先でまだ君を
呼び出し音
あの日、友達の何気ない冗談が全ての始まりだった。
「心結(みゆ)ー!
見て!この人めっちゃイケメンじゃない?」
中学3年生の春。
私たちはもうすぐ受験生になるはずだったのに、進路より部活の方が大切な毎日を歩んでいた。
全校生徒が150人くらいしかいない、小さな中学校。3年生のほとんどが迷わず地元の高校に進学する。私もその中の1人で、進路のことなんかどこか遠い出来事のように感じでいた。
土曜日の練習の日。
テニスを終えたコートの端で、瀬愛(せいあ)がスマホを私の目の前に差し出した。
「心結ー!
見て!この人めっちゃイケメンじゃない?」
画面に映っていたのは、犬の耳のスタンプで加工をされた、学ラン姿の男の子だった。
「え!イケメンすぎん?誰?」
思わず食いついた私に、瀬愛は小さく笑う。
「湊(みなと)先輩だよー!言ったじゃーん、前に!」
瀬愛の先輩の友達。
名前だけは聞いたことあったけど、ちゃんと顔を見たのはそのときが初めてだった。
胸の奥がふわっとした熱で満たされるのがわかった。
「DMしてみる?笑」
瀬愛の冗談みたいな一言が、
私と湊先輩のすべての始まりだった。
「心結(みゆ)ー!
見て!この人めっちゃイケメンじゃない?」
中学3年生の春。
私たちはもうすぐ受験生になるはずだったのに、進路より部活の方が大切な毎日を歩んでいた。
全校生徒が150人くらいしかいない、小さな中学校。3年生のほとんどが迷わず地元の高校に進学する。私もその中の1人で、進路のことなんかどこか遠い出来事のように感じでいた。
土曜日の練習の日。
テニスを終えたコートの端で、瀬愛(せいあ)がスマホを私の目の前に差し出した。
「心結ー!
見て!この人めっちゃイケメンじゃない?」
画面に映っていたのは、犬の耳のスタンプで加工をされた、学ラン姿の男の子だった。
「え!イケメンすぎん?誰?」
思わず食いついた私に、瀬愛は小さく笑う。
「湊(みなと)先輩だよー!言ったじゃーん、前に!」
瀬愛の先輩の友達。
名前だけは聞いたことあったけど、ちゃんと顔を見たのはそのときが初めてだった。
胸の奥がふわっとした熱で満たされるのがわかった。
「DMしてみる?笑」
瀬愛の冗談みたいな一言が、
私と湊先輩のすべての始まりだった。