さよならの先でまだ君を
ただの数学
駅でばったり再会してから、
私の中で止まっていたはずのみなの存在が、
また少しずつ、呼び出し音みたいに響き始めていた。

頭が良くて、かっこよくて、運動もできて、どこか子供みたいに優しい完璧な人間。
思い出すたびに、胸の奥がぎゅっと苦しくなった

「もう関わらない」
そう決めていたのに、
私の前には“わからない”が、積み上がっていくばかりだった。

数学だけは、どれだけやっても苦手だった。
新しい制服、新しいクラス、新しい街。
何もかもが新しくて、何もかもが知らない人ばかりで、頼れる友達なんて、すぐにできるはずもなかった。

困ったとき、ふと頭に浮かんだのは
やっぱり、みなだった
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