百花繚乱
「冗談だと思わないで聞いてくれる?」

「あ、ああ……」

私はゴクンと、息を飲みました。

「紳太郎さん、私を連れて遠くへ行って。」

「えっ?」

「私と駆け落ちして。」

紳太郎さんは、唖然としていました。

「…学校を卒業してからでいいから。」

「若葉…急にそんなこと言われても……」

「私と一緒にいられなくなってもいいの?私を好きだと言ってくれたのは、ウソなの?」

「ウソじゃない……」

「なら、いいよね。私と一緒に、新しい生活をしてくれるよね。」

紳太郎さんは”うん”とも”ううん”とも、言いませんでした。


「卒業式の夜に、ここで……」

「少し、待っ…」

紳太郎さんは、手を伸ばしました。

「紳太郎さん、絶対よ!」

「あっ…」

私は紳太郎さんをその場に残すと、そのまま店の者を、追いかけました。


紳太郎さんは、絶対に来てくれる。

そう信じて。

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