憧れだった貴方と恋をする〜左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる〜

新しい生活の始まり

「ご存知ですか？ピンキーリングにも意味がある事を……」



大学の入学祝いに時計をプレゼントしてあげると祖父母と一緒にデパートに行くと、時計、宝石店が一緒にあるテナントの定員さんにこう言われた。


時計は気に入ったものがすぐに決まり、保証書などの手続きを待っている間に可愛い指輪が目に付いて、ケースを見ていた黒河さくら(くろかわさくら)は店員さんにそう声をかけられた。


「えっ？ピンキーリングにもですか？」
と質問をした。


特別な左手の薬指は知ってるけど…どうやら他の指も意味があるらしいのだ。


ずっと小学生から高校までバスケばっかりしてきて、アクセサリーに特に興味もなかったさくらは見ていたショーケースから顔をあげ、店員さんを見た。

「はい、実は……」


店員さんは丁寧に教えてくれたのだ。


(へぇー、そっか……)


腕時計の手続きが終わり、おじいちゃんが欲しいものがあるなら買ってやるぞと言ってくれたけど

「大丈夫」と私は返事をした。


(どうせなら自分の働いたお金で買いたい！！)




田舎から大学進学のために上京したさくらは母方の祖父母が暮らすマンションに住むならという条件で親から上京を許されたのだ。

親は地元に残って欲しかったみたいだがさくらが自分で行きたい大学を決めた。


マンションも祖父の持ち物で家賃は要らないと好条件なのだ。

「さて、レストランで食事でもして、地下で何か夕食の買い物でもして帰りましょ」

祖母の提案で店を後にして3人で食事に行ったのだった。