悲劇のセイレーンにささやかな愛を
「澪ー!!今日も可愛いねっ」
集合時間の5分前に駅に着くと、既に凰牙と彩芽が立っていた。
花柄の七分丈のワンピースを着た彩芽に勢いよく抱きしめられ、ニコニコの澪。
「先に言っておく。俺と彩芽の邪魔はするなよ?」
「分かってるってば。安心して、俺には澪がいるから」
想像通り怖すぎる笑顔で話しかけてきた凰牙は、黒のシャツに青のカーディガンを羽織っている。
首元にはチェーンネックレス。大人っぽいな。
「……っ、ごめん!遅れた!!」
「遅れてはないよ〜。ちょうど時間ぴったり!」
そこへ秋斗が申し訳なさそうに手を合わせながら走ってきた。
白の半袖シャツを着て、デニム素材のダボっとしたズボンを黒のベルトでしめている。
耳にはピアスが三つずつ付いている。
うん、チャラいな。