私は恋愛できない呪われ女『お前の呪いは、俺が解いてやる』!?だらしない酒好きダメンズだと思ってたら、実は最強霊媒除霊士でした!
報酬は大金と新オフィス?
そしてリョウは三日も帰ってこなかった。
「リョウ……」
ろくでなしでも三日もいないと寂しい。
事務所でずっと過ごして、食欲もなくてビールだけ飲んだ。
「はぁリョウ……無事なの……? さすがに心配だよ。スマホも反応ないし……」
寂しさは不安に変わる。
無事を祈り続けた。
そして三日後、無精髭が生えたリョウが高級車に送られて帰ってきた。
何やら高級そうな木箱も何個か置いていく。
「リョウ、おかえり! よかった! よかったよぉ!」
自分でも驚くほど、リョウが帰ってきて安心してる。
こっそり涙も拭ってしまった。
「……ただいま……すまん限界……寝る……」
それから丸一日半、リョウは眠り続けて次の日の夕方に目を覚ました。
王子の呪いは無事に解決したらしい。
「はぁ……かなり疲れたぜ。相当にひどかった……」
「お疲れ様! 大変だったね」
「おう……今日は高級寿司でも喰いに行くか……」
「報酬いっぱい貰えたの!?」
「あぁ。それなりにな。あと、オフィスももらった」
「オフィス!?」
報酬の一つとして、現金の他に、王子が買い占めた一等地の素敵なオフィスまで無期限で提供してくれるという。
その代わり、今後も王子の呪い相談相手として契約もしたらしい。
素敵なテーブルに、ノートパソコンなんかの機材も揃っているという。
更に、リョウのために仕立てられたスーツや、愛美のためのブランドバッグなどが木箱に入っていた。
「ほらよ、お前の報酬」
リョウが分厚い封筒を渡してくる。
「えっ!? さ、三百万!?」
見たこともない札束に驚く。
「報酬の分け前だ、半分」
「私、今回なんにもしてないよ!?」
「お前がいなかったら、あの王子は俺のこと探すことができなかっただろうしな」
「……でもこんなの貰っちゃって……事務所で待ってただけなのに……」
「いいからもらっとけ! まぁこれからの仕事を探さないとなぁ……俺の留守中依頼は一件もなしか」
仕事の依頼は一件もこなかった。
「ねぇ、チラシとかホームページとか作ろうか? 新しい事務所ももらえたんだし、事務員としてそれくらいならしてもいいよ?」
「まじか! ……でも俺の名前は『リョウ』だけで頼むな」
ギンガ・リョウについて愛美は詮索しなかった。
でも今なら聞くタイミングなのでは? と思う。
「ねぇ、リョウは……名門のギンガ家の人なんでしょ? ならギンガ・リョウでチラシを作った方がいいんじゃない?」
リョウは寝起きのままで、事務所の小さな冷蔵庫からビールを取り出した。
一本を愛美に投げ渡す。
「俺は絶縁してるし、破門にされてるからバレたら……まぁ殺されるな」
「こ、殺される!? それって、何かのたとえでしょ?」
「いやぁ言葉的な意味、そのまんま」
「……一体なにをやったのよ!? 酒浸りで怒らせたとか……ええと、五百円玉貯金を盗んだとか……」
「お前は俺をなんだと思ってんだ」
「いや……だって……」
短い時期かもしれないが、リョウが殺される程の事をするとは思えなかった。
「一族の犠牲になりそうになってた生贄少女を、逃がしてやった」
「え?」
「力の影に犠牲ありってね。そーゆーのムカツクだろ」
「令和の時代に、生贄?」
「あぁ。彼女は三百年に一人の逸材だ。 本家の奴ら……まぁ俺の祖父や両親なんかは面目丸つぶれで大激怒……じゃ済まされない」
「……その子は今は? あっ……もしかしてハガキの?」
あのハガキを思い出す。
住所も名前も書いてない。
でも、一言……『元気です』とリョウに無事を伝える言葉。
「そっ。俺ももうどこに住んでるかはわかんね~。でもハガキがたまに来る。だからこのボロ事務所は移転できないのさ」
このボロ事務所に居続けるのは、理由があったのか……。
そんな漫画のヒーローみたいな事をした過去もあって。
飲んだくれの金無しヘタレ野郎かと思ってたのに、なんかカッコいいじゃん! と愛美は思ってしまう。
「あ~腹減った。んじゃちょっと待ってろ」
「え? あぁ回転寿司行くんだっけ? 予約する?」
「高級寿司屋って言っただろうーが!」
リョウがシャワーを浴びて、ヒゲを剃ってから本当に高級寿司屋に連れて行かれた。
しっかり貯金をすればいいのに……と思うのだが!
この寿司が美味すぎる!!
「美味しすぎる……っ! なにこの寿司! 感動! 日本酒も美味しすぎ!」
「飲め飲め! 食え食え! 奢っちゃるから! 大将、中トロとアワビと、日本酒おかわりお願いしまーす」
「あいよリョウちゃん」
「リョウ……」
ろくでなしでも三日もいないと寂しい。
事務所でずっと過ごして、食欲もなくてビールだけ飲んだ。
「はぁリョウ……無事なの……? さすがに心配だよ。スマホも反応ないし……」
寂しさは不安に変わる。
無事を祈り続けた。
そして三日後、無精髭が生えたリョウが高級車に送られて帰ってきた。
何やら高級そうな木箱も何個か置いていく。
「リョウ、おかえり! よかった! よかったよぉ!」
自分でも驚くほど、リョウが帰ってきて安心してる。
こっそり涙も拭ってしまった。
「……ただいま……すまん限界……寝る……」
それから丸一日半、リョウは眠り続けて次の日の夕方に目を覚ました。
王子の呪いは無事に解決したらしい。
「はぁ……かなり疲れたぜ。相当にひどかった……」
「お疲れ様! 大変だったね」
「おう……今日は高級寿司でも喰いに行くか……」
「報酬いっぱい貰えたの!?」
「あぁ。それなりにな。あと、オフィスももらった」
「オフィス!?」
報酬の一つとして、現金の他に、王子が買い占めた一等地の素敵なオフィスまで無期限で提供してくれるという。
その代わり、今後も王子の呪い相談相手として契約もしたらしい。
素敵なテーブルに、ノートパソコンなんかの機材も揃っているという。
更に、リョウのために仕立てられたスーツや、愛美のためのブランドバッグなどが木箱に入っていた。
「ほらよ、お前の報酬」
リョウが分厚い封筒を渡してくる。
「えっ!? さ、三百万!?」
見たこともない札束に驚く。
「報酬の分け前だ、半分」
「私、今回なんにもしてないよ!?」
「お前がいなかったら、あの王子は俺のこと探すことができなかっただろうしな」
「……でもこんなの貰っちゃって……事務所で待ってただけなのに……」
「いいからもらっとけ! まぁこれからの仕事を探さないとなぁ……俺の留守中依頼は一件もなしか」
仕事の依頼は一件もこなかった。
「ねぇ、チラシとかホームページとか作ろうか? 新しい事務所ももらえたんだし、事務員としてそれくらいならしてもいいよ?」
「まじか! ……でも俺の名前は『リョウ』だけで頼むな」
ギンガ・リョウについて愛美は詮索しなかった。
でも今なら聞くタイミングなのでは? と思う。
「ねぇ、リョウは……名門のギンガ家の人なんでしょ? ならギンガ・リョウでチラシを作った方がいいんじゃない?」
リョウは寝起きのままで、事務所の小さな冷蔵庫からビールを取り出した。
一本を愛美に投げ渡す。
「俺は絶縁してるし、破門にされてるからバレたら……まぁ殺されるな」
「こ、殺される!? それって、何かのたとえでしょ?」
「いやぁ言葉的な意味、そのまんま」
「……一体なにをやったのよ!? 酒浸りで怒らせたとか……ええと、五百円玉貯金を盗んだとか……」
「お前は俺をなんだと思ってんだ」
「いや……だって……」
短い時期かもしれないが、リョウが殺される程の事をするとは思えなかった。
「一族の犠牲になりそうになってた生贄少女を、逃がしてやった」
「え?」
「力の影に犠牲ありってね。そーゆーのムカツクだろ」
「令和の時代に、生贄?」
「あぁ。彼女は三百年に一人の逸材だ。 本家の奴ら……まぁ俺の祖父や両親なんかは面目丸つぶれで大激怒……じゃ済まされない」
「……その子は今は? あっ……もしかしてハガキの?」
あのハガキを思い出す。
住所も名前も書いてない。
でも、一言……『元気です』とリョウに無事を伝える言葉。
「そっ。俺ももうどこに住んでるかはわかんね~。でもハガキがたまに来る。だからこのボロ事務所は移転できないのさ」
このボロ事務所に居続けるのは、理由があったのか……。
そんな漫画のヒーローみたいな事をした過去もあって。
飲んだくれの金無しヘタレ野郎かと思ってたのに、なんかカッコいいじゃん! と愛美は思ってしまう。
「あ~腹減った。んじゃちょっと待ってろ」
「え? あぁ回転寿司行くんだっけ? 予約する?」
「高級寿司屋って言っただろうーが!」
リョウがシャワーを浴びて、ヒゲを剃ってから本当に高級寿司屋に連れて行かれた。
しっかり貯金をすればいいのに……と思うのだが!
この寿司が美味すぎる!!
「美味しすぎる……っ! なにこの寿司! 感動! 日本酒も美味しすぎ!」
「飲め飲め! 食え食え! 奢っちゃるから! 大将、中トロとアワビと、日本酒おかわりお願いしまーす」
「あいよリョウちゃん」