半妖の九尾の狐は神巫女を独占中
第1章

始まりの出会い

幼い頃、おばあちゃんの家に泊まりに行った時に傷付いた狐を見つけた。



「だいじょうぶ?わたしがちゃんと治してあげるからね」



幼いながらに、狐を保護し手当を続けた。



そんな日が続いていた時、怪我をした狐が居なくなる。



その代わりに、和服を着た中性的な人がそこにいて、その姿を目にした時、私は幼いながらに一目惚れをした。



私にとっての初恋だ。



その時に交わした言葉は覚えていないけど、その人はピンク色の可愛らしい勾玉を私にプレゼントしてくれた。



「肌身離さず持っていて。それが俺とお前を繋ぐ、架け橋となってくれよう」



その言葉の意味はわからなかったけど、この勾玉を持っていた方がいいことだけはわかった。




あれから10年間、ずっと探し続けていた。




あの時会った中性的な人の事を、私の・・・初恋を。



だけど、いまだに会えていない。



いつか・・・いつか、会えるだろうか。



そんな淡い期待を抱きながら過ごしていた。



──あんなことになるとは、思わずに。






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