半妖の九尾の狐は神巫女を独占中
転校生の秘密
それからしばらくして、私は琥珀ちゃんと共に過ごすことが増えてきた。
今日も琥珀ちゃんと一緒に学校から帰ろうとしていた。
校舎を後にして校門をくぐった時、そこに玖夜様が耳を隠しながら立っていることに気付く。
「悠乃。学校終わった?」
「玖夜様、どうしてここに?」
玖夜様が私に気付き、私の元へ歩み寄ってくる。
玖夜様は私に微笑んだと思ったら、少し鋭い視線を琥珀ちゃんに向けた。
「・・・ごめん、私忘れ物しちゃったから先帰ってて!じゃあね、悠乃」
「あ、うん!バイバイ!」
玖夜様の視線から逃げるように、琥珀ちゃんは校舎の中に入っていく。
そんな琥珀ちゃんに手を振って見送った。
「・・・今の子は?」
琥珀ちゃんが見えなくなってから、玖夜様が私に声をかけてくる。
その視線は琥珀ちゃんが進んでいった校舎の方へと注がれていた。
「前にお話ししたお友達です。いつも一緒に帰ってるんですよ」
「・・・そう。だとしたら気を付けた方がいいよ。あの子は悠乃に対して隠し事をしているから」
「隠し事?」
校舎から視線を外し、近くにいる私のことを見つめてくる玖夜様。
その目は、何かを確信しているような色が見えた。
琥珀ちゃんが、私に隠し事をしてる・・・?
そう考えた時、とあることが思い浮かぶ。
初対面の時に発していた、これから、ずっと・・・という言葉と、着替えをする時に必ず私の前から姿を消すことだ。
その時はなんとも思ってなかったけど、隠し事をしているという言葉を聞いたら、怪しく思う行動が多い気がする。
「その勾玉は、君が悪意や好意を受けると色が変わる性質を持つんだ。その子と手を握ったんだろう?だとしたら悪意を持ってる可能性が高い」
玖夜様は私の勾玉を指差しながら、勾玉の性質について教えてくれる。
もしかして、初めて琥珀ちゃんと帰った後勾玉の色が濃くなったのも、琥珀ちゃんと手を繋いだのが原因?
だとしたら、琥珀ちゃんは私に悪意があるって事になるけど・・・そんな素振り、全然なかった。
でも、勾玉は反応してる訳で・・・。
琥珀ちゃんが私に悪意を持ってるとか、隠し事をしてる、なんて信じたくはない。
でも、勾玉が反応してるのも玖夜様から逃げるように立ち去ったのも、私の中にある心当たりも琥珀ちゃんを疑ってしまうには十分すぎる。
だけど、私は琥珀ちゃんを信じたい。
孤立していた私に優しく微笑みかけてくれた、琥珀ちゃんを。
だけど、どうして玖夜様がこの勾玉の性質を知ってるんだろう。
これ、昔初恋の人から貰ったものなのに。
「それに、私が悠乃に近寄ったら逃げるようにその場を後にしたのも引っかかる。・・・明日から迎えに来るから、悠乃も学校にいる時は気を付けてね」
「・・・わかりました。気を付けますね」
「うん、そうして」
玖夜様の言葉に素直に頷くと、少しだけ安心したように微笑んだ玖夜様。
琥珀ちゃんを疑いたくはない。
だから、玖夜様の忠告が違かったと証明するために、琥珀ちゃんの行動を観察することにした。
今日も琥珀ちゃんと一緒に学校から帰ろうとしていた。
校舎を後にして校門をくぐった時、そこに玖夜様が耳を隠しながら立っていることに気付く。
「悠乃。学校終わった?」
「玖夜様、どうしてここに?」
玖夜様が私に気付き、私の元へ歩み寄ってくる。
玖夜様は私に微笑んだと思ったら、少し鋭い視線を琥珀ちゃんに向けた。
「・・・ごめん、私忘れ物しちゃったから先帰ってて!じゃあね、悠乃」
「あ、うん!バイバイ!」
玖夜様の視線から逃げるように、琥珀ちゃんは校舎の中に入っていく。
そんな琥珀ちゃんに手を振って見送った。
「・・・今の子は?」
琥珀ちゃんが見えなくなってから、玖夜様が私に声をかけてくる。
その視線は琥珀ちゃんが進んでいった校舎の方へと注がれていた。
「前にお話ししたお友達です。いつも一緒に帰ってるんですよ」
「・・・そう。だとしたら気を付けた方がいいよ。あの子は悠乃に対して隠し事をしているから」
「隠し事?」
校舎から視線を外し、近くにいる私のことを見つめてくる玖夜様。
その目は、何かを確信しているような色が見えた。
琥珀ちゃんが、私に隠し事をしてる・・・?
そう考えた時、とあることが思い浮かぶ。
初対面の時に発していた、これから、ずっと・・・という言葉と、着替えをする時に必ず私の前から姿を消すことだ。
その時はなんとも思ってなかったけど、隠し事をしているという言葉を聞いたら、怪しく思う行動が多い気がする。
「その勾玉は、君が悪意や好意を受けると色が変わる性質を持つんだ。その子と手を握ったんだろう?だとしたら悪意を持ってる可能性が高い」
玖夜様は私の勾玉を指差しながら、勾玉の性質について教えてくれる。
もしかして、初めて琥珀ちゃんと帰った後勾玉の色が濃くなったのも、琥珀ちゃんと手を繋いだのが原因?
だとしたら、琥珀ちゃんは私に悪意があるって事になるけど・・・そんな素振り、全然なかった。
でも、勾玉は反応してる訳で・・・。
琥珀ちゃんが私に悪意を持ってるとか、隠し事をしてる、なんて信じたくはない。
でも、勾玉が反応してるのも玖夜様から逃げるように立ち去ったのも、私の中にある心当たりも琥珀ちゃんを疑ってしまうには十分すぎる。
だけど、私は琥珀ちゃんを信じたい。
孤立していた私に優しく微笑みかけてくれた、琥珀ちゃんを。
だけど、どうして玖夜様がこの勾玉の性質を知ってるんだろう。
これ、昔初恋の人から貰ったものなのに。
「それに、私が悠乃に近寄ったら逃げるようにその場を後にしたのも引っかかる。・・・明日から迎えに来るから、悠乃も学校にいる時は気を付けてね」
「・・・わかりました。気を付けますね」
「うん、そうして」
玖夜様の言葉に素直に頷くと、少しだけ安心したように微笑んだ玖夜様。
琥珀ちゃんを疑いたくはない。
だから、玖夜様の忠告が違かったと証明するために、琥珀ちゃんの行動を観察することにした。