結婚の決め手は焦げた玉子焼き!?黒豹御曹司は愛する秘書を逃がさない
「いってらっしゃいませ」
「え? 夏目さんは一緒に行かないんですか?」
 なんで? どういうこと?
 まさか、このドレスはこの店に入るため?
 普段着では入れないセレブな店だから!
 
 ……住む世界が違いすぎる……!

 テレビで見た通りの美しい夜景とテーブルに飾られた花。
 そして目の前にはイケメン御曹司。
 
 ……夢かな?
 
「食べられないものは?」
「特にないですが、辛い物は少し苦手です」
 あ、普通の辛さは食べられますと沙紀は手を軽く左右にフリフリした。
「ワインは?」
「お酒は弱いので、あまり……」
「そうか」
 暁良が目を合わせるだけで、黒服さんはお辞儀をして去って行く。
 
 メニューとか何もないんですか?
 ご注文は? とか聞かないんですか?
 グラスが準備され、注がれるのはシャンパン?
 
「カルテット・アンダーソン・ヴァレー ブリュットでございます」
 ……言われてもわかりません!
「スパークリングワインだが、酔いやすいから無理しなくていい」
「は、はい。いただきます」
 シャンパンとスパークリングワインって違うの?
 
 一口飲んだ沙紀はほんのり酸っぱい味に驚いた。
 でもおいしい。
 でも高そう。
 いや、高そうじゃなくて高いに決まっている。
 料理はオードブル、スープから始まるコース料理。
 マナーなんてわからないんですけど!
 
「気にせず食べればいい」
「はい」
 正直、美味しすぎて美味しさがわかりません~!
 よくテレビで「宝石みたい」「絵画みたい」と言う芸能人がいるけれど、大袈裟だなって思っていました、ごめんなさい!
 本当です。芸術です。
 
「タラのポワレでございます」
 ポワレって何?
 タラとスナップえんどう、じゃがいも、えのきにレモンが添えてあって綺麗だけど、ポワレって?
 美味しいけれど!
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