結婚の決め手は焦げた玉子焼き!?黒豹御曹司は愛する秘書を逃がさない
「……嘘だろ」
 二人が入っていったのはブランドの装飾品店。
 指輪を手にはめながら喜んでいる沙紀の姿に、大輝は愕然とした。

「なんでそんなに嬉しそうなんだよ」
 俺のことが好きなんじゃないのか?
 まだ別れてからそんなにたっていないじゃないか。
 金か? 金があれば誰でもいいのか?
 大輝はグッと拳を握る。

『駅ついたぞ~』
 同じ営業部の佐藤からメッセージが届いた大輝は、沙紀の隣のCEOを睨むと駅方向に戻る。

 沙紀は絶対に取り戻す。
 CEOよりも俺の方が沙紀のことを知っているんだ。
 派手な付き合いも、街でショッピングも苦手だって俺は知っている。
 沙紀は無理をしているはずだ。
 CEOに逆らえないから我慢しているだけだ。
 
 大輝は自分に言い聞かせながら角を曲がり、駅へ。
 改札前で待っていた佐藤に手を上げて挨拶すると、大輝は合コン会場へ向かった。

    ◇

「駅に戻ったらしい」
 夏目からのメッセージを見た暁良は、作戦成功だと笑った。

「本当にあとをつけてきたんですね」
「で、どれにする?」
「えぇっ?」
 なしでいいですとワタワタする沙紀の指に暁良は指輪をはめる。

「サイズはこのくらいか?」
「でも」
「選ばないと勝手に買うぞ」
 暁良が店員に出してもらったのは桜のようなデザイン。
 綺麗だけれど、待って。これ、台座だけで私の給料を余裕で越えている!
 これに石をプラスしたらとんでもない金額に!

「このあたりの小さな石をピンクダイヤなどに変えられますが」
「いや、清楚な沙紀には、色がない方が似合う」
 失礼しましたと店員はメインの石の候補を出していく。

 輝きによって値段が変わるとは知っていたが、こんなに跳ね上がるものだと初めて知った。

「この指輪ですと、このサイズ以上がおススメですが、ここまで大きくするとバランスが悪くなるので」
「そうか。ではこのサイズで、もう少し透明度が高いものを」
「お取り寄せでよろしいですか?」
「あぁ。かまわない」
 かまいます! これより透明度が高いって、これよりお値段も高いってことだよね?
 真ん中の石だけで私の1年分の給料より高いなんて絶対おかしい!

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