親友のキミと、あと1ミリの恋
第5話 放課後の告白
文化祭の熱気もすっかり冷め、静けさが戻ってきた放課後の教室。
私は、片づけで出たゴミをまとめながら、先ほどの出来事を思い出していた。
谷原さんの意外な真意。晴人が私を抱きとめてくれた腕の感触に、切羽詰まった声。そして、震えていた指先。
それにしても、さっきの晴人のあれは、いったい……。
答えの出ない問いを頭の中で繰り返していると、ふと、教室の扉が開く音がした。
振り返ると、晴人が立っていた。
彼は私を見つけると、ほっとしたような顔をする。
「良かった。美波、ここにいたのか」
「うん、まだやることが残っていたから。でも、もう少ししたら帰るよ。晴人は? どうしたの?」
「いや……美波にちょっと、話したいことがあって」
晴人の声は、いつもより少し低く、真剣な響きを持っていた。
話したいことって、なんだろう?