婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
仕事は仕事、婚活は婚活でけじめをつけていたつもりだったのだが。

恋愛しか考えていない浅はかな女に見られていたのかもしれない。

聖澤さんのことだって、ちゃんと線を引くつもりだったのに。

そこでふと、聖澤さんと安芸野さんの関係について思い出す。ふたりがどういう付き合い方をしていたのかは知らないけれど、同じ職場なのにこっそり愛を育んでいたのはそっちだろう。だったら自分を棚上げして軽蔑されるいわれはない。

「……自分だって、社内恋愛してたんじゃない」

「は?」

聖澤さんはなにを言われたのかわからない様子で呆然としていたが、やがて思い当たったのか、半信半疑の顔で凍りついた。

完全に余計なひと言だったけれど、それを後悔する以前に、彼への苛立ちが収まらない。

「今日はひとりで帰れますのでお構いなく。お疲れ様です」

「おい、桃代さん!」

うしろからかけられた声には耳を傾けず、私はひとり小走りで駅に向かった。



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